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中国が「琉球カード」を切る:沖縄の主権未定論と日中・米軍基地問題の火種


台湾のニュース番組「新聞大白話」における、中国、日本(特に琉球/沖縄)、およびフィリピンを巡る地政学的な問題についての専門家(郭正亮氏、苑舉正氏、張延廷氏)による討論を収録したものです。

以下に、動画の主な論点を日本語で要約します。


1. 中国の新たな対日戦略と「琉球カード」

動画は、中国の対外プロパガンダの変化、特にソーシャルメディア(YouTube、Twitterなど)での積極的な情報発信(「中國軍號」)から始まります [00:10]。この背景で、中国が日本の高市早苗氏の「台湾カード」に対抗して「琉球カード」を切り始めたという論点が提示されます [00:36]。

  • 主権未定論の再燃: 中国の学者が、第二次世界大戦後の国際秩序に基づき「北緯30度以南は日本領ではない」とし、琉球の主権は日本に属さないと主張していることが紹介されました [00:41]。

  • 歴史的宣伝: 中国の大連・旅順博物館で琉球国王の肖像画が展示され、琉球がかつて中国の冊封国であった歴史が強調されています [00:59]。

  • 沖縄のアイデンティティ: 沖縄の若い世代の一部が、自身のアイデンティティを「日本ではない琉球省の人間」と認識し、YouTubeなどで発信している事例が紹介されました [02:43]。

  • 郭氏の指摘(主権と戦争の悲劇):

    • 琉球は第二次世界大戦後、主権が未定のままアメリカに信託統治され、1972年の日本への施政権返還は同盟国の同意を得ていない「違法な私的譲渡」であると主張されています [04:50]。

    • 沖縄戦では、日本兵の死者(約9万人)に対し、琉球住民の死者がそれ以上(少なくとも10万人以上、最高15万人)に上ったという悲劇が強調され、住民の「天皇陛下万歳」ではなく「母」を呼ぶ最後の叫びが共有されました [05:47]。

    • 米軍基地は琉球に集中しており(在日米軍の3分の2、約2万人以上)、その戦略的な重要性(第一列島線と第二列島線の阻止線)から、住民の基地撤去要求が長年続いていると解説されました [06:04]。

  • 高市氏の戦略批判: 日本の極右勢力(高市氏)が主張する「西南シフト」戦略は、日中衝突が起きた際に琉球を戦場にして日本本土を無傷にしようとする「一廂情願(自己満足)」に過ぎず、現在の中国の軍事力をもってすれば、衝突時には琉球ではなく東京を直接攻撃するだろうと強く批判されました [07:07]。

2. 専門家の視点:琉球の地位と「三つのトラウマ」

  • 苑氏の指摘(地位未定論とトラウマ):

    • 苑氏は、琉球には台湾とは異なる「地位未定論」が明確に存在すると強調しました [08:26]。

    • 琉球人が持つ**「三つの大きなトラウマ」**として、「滅国(琉球王国滅亡)の痛み」、「沖縄戦での日本軍による民間人への不降伏の強要と大虐殺」、「在沖米軍による事件・事故と治外法権(SOFA)による苦痛」を挙げました [09:11]。また、日本政府が琉球人を先住民族として認めていないという異様な状況についても言及しました [10:14]。

  • 張氏の指摘(独立の難しさ):

    • 張氏は、琉球が日本に併合されて150年が経過し、政治的生態系が日本に深く浸透しているため、主権回復の法廷闘争は困難であると述べました [11:24]。

    • 琉球では**独立に反対が59%、賛成が25%**という世論調査結果があること、人口・体積が小さく国際的な支援が限られること、日本の軍事化が進んでいることを指摘し、独立運動の影響力は限定的であると結論づけました [11:49]。

3. フィリピンの情勢と日比協力

  • 日比協力の強化: 日本とフィリピンが南シナ海で3度目の海上協力活動を実施し、日本がフィリピンへのPAC-3防空ミサイルの輸出を検討していることが報じられ、これが日本の殺傷性兵器輸出の先例となる可能性が指摘されました [02:54]。

  • フィリピンの政治危機:

    • フィリピンでは、64億台湾ドル(約290億円)規模の洪水対策事業を巡る汚職疑惑に対し、連日大規模な抗議デモが発生し、マルコス大統領の辞任が要求されています [03:30]。

    • マルコス大統領の支持率が18%(信頼度が43%)まで急落しており、自身の一族に利権を供与したことや、数億に上る賄賂を受け取ったという告発により、政権が「内憂外患」の状態にあると解説されました [04:17]、[10:32]。

動画のURL: http://www.youtube.com/watch?v=dXpS17YOKUc



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