オレの横を若い女が急ぎ足で追い抜いてった。
……そういうとき、あんたならどうする?
そのまま見送る?
もったいないねぇ。
チャンスってのは、準備してるヤツの前にだけ姿を見せるもんだ。
まずは第一歩。
焦って声をかけちゃダメだ。
ナンパの基本は“違和感のなさ”だからな。
オレは少しだけ歩幅を速めて、彼女と並ぶような距離を取る。
声をかけるんじゃない。
「存在を気づかせる」んだよ。
たとえば、さりげなく独り言みたいにこうつぶやくんだ。
「この道、駅までこんなに混んでたっけ?」
そうすると、彼女はチラッとこっちを見る。
ここで目が合ったら、すかさず笑う。自然にな。
「いや、急いでるのに人多くてさ。ついてないわ」
――この時点で、“ただの通行人”から“一瞬会話した人”に昇格だ。
ここからはタイミング。
彼女がイヤそうな素振りを見せなかったら、もう一言いける。
「てか、なんかいい匂いしたと思ったら、あんたのシャンプーだったわ。クセになるな」
この一言に、照れ笑いが返ってきたら――勝負は始まってる。
……ってわけでな。
ナンパってのは、いきなり「こんにちは」とか「お茶しませんか」って声かけるもんじゃねぇ。
“日常に溶け込む”ってのが、一番大事なんだよ。
さて、そろそろ次のチャンスを探すとするか。
今日はなんだか、風向きがいい。
でな、さっきの話の続き。
相手が笑った。そしたら焦るなよ?
ここで“勝った”と思ってガツガツいったら逆効果。
ナンパってのは、言ってみりゃ釣りと同じ。
ぐいっと引っ張るんじゃなくて、ちょっとゆるめて、また引く。それの繰り返し。
彼女が一歩先を歩くなら、こっちは半歩後ろを歩くくらいでちょうどいい。
距離感ってやつが、大人の余裕を感じさせるんだ。
それで、次に言うセリフはこう。
「……仕事帰り?それとも、誰かに会いにいくとこ?」
ここでの狙いは“会話の糸口を作ること”な。
相手が「友達とごはん」とか「ちょっと買い物」とか言えば、それだけで会話が広がる。
オレの場合――
そのときの彼女は、ちょっと笑いながらこう言ったんだ。
「急いでるの。遅刻ギリギリでさ」
……そう言われたら、どうするか。
普通は「じゃあまたね」で終わらすだろ?
でもな、オレはそのときこう言った。
「じゃあ、走れ。走る姿も見てみたいし」
彼女は笑って、でもちょっと恥ずかしそうにして、それでも走らずに歩いた。
――つまり、まだオレと話す余地はあるってことだ。
そして最後に、こう付け加えた。
「連絡先、聞くのはやめとく。でも、また偶然会ったら、そんときはお茶付き合ってくれよ」
これがオレの“残し技”ってやつだ。
連絡先を聞かないことで、逆に印象に残す。
“この人、なんか違うな”って思わせたら勝ちなんだよ。
……結局な、ナンパってのは“相手の気持ちをどれだけ想像できるか”が全てなんだよ。
テクニックなんか後からついてくる。
まずは、目の前の彼女を大事に扱うことだ。
じゃ、今日はここまで。
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