オフィスの時計が午後九時を指していた。残業を言い訳に、私は彼と二人きりになれるこの時間を待ち望んでいた。
「遅くまで大変ですね、課長。」
彼の低く落ち着いた声が背後から響く。振り向くと、ネクタイを緩めた彼の視線が絡みつくように私を捉えていた。
「あなたこそ……。毎日こんな時間まで付き合わせてしまって、ごめんなさい。」
「謝らないでください。こうして二人きりになれる時間が、俺にはご褒美なんですから。」
彼の指先がそっと私の手の甲に触れる。ほんの一瞬だったのに、心臓が跳ね上がるのを感じた。
「……誰かに見られたら、困るわ。」
「誰もいませんよ。ほら、静かでしょう?」
そう言いながら、彼はそっと私の手を取る。そのまま引き寄せられるように彼の胸に収まった。広くて、温かい。彼の香りが鼻先をくすぐる。
「ずっと、こうしたかった。」
彼の囁きと同時に、唇が重なった。優しく、でも確かに私を求める熱が伝わってくる。
「……ダメよ、こんなところで……。」
「大丈夫です。俺は、あなたを離したくない。」
囁く声が心を揺さぶる。理性の最後の糸が、彼の指先に触れるたびに緩んでいく。
「……少しだけよ。」
彼の腕が強くなる。抑えていた熱情が、オフィスの静寂に溶けていった。
***
デスクの端にそっと腰を下ろした私は、彼の熱を肌に感じながら、息を整えようとしていた。彼の指先が頬を撫で、優しく髪をすく。
「まだ、足りない……。」
低く甘い声が耳元で囁く。熱が再び身体を駆け巡る。
「もう……こんなこと……。」
言葉とは裏腹に、彼を拒めない自分がいた。彼の手がそっと腰に回り、引き寄せられる。体温が混ざり合い、鼓動が重なる。
「あなたが欲しい、ずっと前から……。」
囁きながら、彼はそっと私の唇を啄む。触れた瞬間、残っていた理性が完全に崩れ去った。
もう、抗えない。
オフィスの静寂の中、禁じられた夜がゆっくりと深まっていく……。
***
彼の唇が首筋を辿り、肩口に甘く吸い付いた。背筋がぞくりと震え、思わず彼の背中に爪を立てる。
「感じてる……?」
囁かれた声に、ただ小さく頷くことしかできない。
彼の手が背中を滑り、ゆっくりと私を引き寄せる。そのままデスクに押し倒される形になり、彼の体温がさらに近づく。
「こんなに……俺のことを求めてくれてたんですね。」
「違う……そんなこと……。」
言い訳の言葉は、彼の唇で塞がれる。深く、貪るような口づけに思考が溶けていく。
スカートの裾がゆっくりとたくし上げられ、指先が素肌に触れる。火照った肌に彼の指が触れるたび、抑えきれない熱が込み上げた。
「……誰か来たら……。」
「誰も来ません。だから、もっと……俺を感じてください。」
耳元で囁かれる甘い言葉が、理性の最後の砦を崩していく。
オフィスの夜は、まだ終わらない……。
恋愛マンガは、主に恋愛をテーマにした漫画作品で、登場人物たちの感情や関係性の変化を描いています。
https://www.amazon.co.jp/shop/influencer-316d999d/list/3319N66FHBA4E
コメント
コメントを投稿